(朝鮮日報日本語版) 金正恩氏、中国製スマホを「北朝鮮製」と偽る!?
いつもご覧いただき、ありがとうございます♪
最新ニュースをお届けします。
サムスン「ギャラクシー」、アップル「iPhone（アイフォーン）」はおろか、その前の前の世代のスマートフォン（多機能携帯電話）も存在しないのが北朝鮮だ。インターネットが遮断されている環境では、どんな最先端スマートフォンでも使えないからだ。その北朝鮮が11日「わが国の方式で作った」というスマホ「アリラン」を発表した。地球上最悪の閉鎖・独裁国家がスマホを作ったというのも矛盾しているが、まず思い浮かぶのは「北朝鮮にそんな技術があるのか」という疑問だ。
その疑問は的中した。香港紙「大公報」や英国BBCは14日「北朝鮮が作ったスマホ『アリラン』は安価な中国製品を入手して北朝鮮製に見せかけている可能性が高い」と報じた。「アリラン」は事実上中国製のコピー商品だが、金正恩（キム・ジョンウン）第1書記はこれをあたかも北朝鮮が開発・生産したかのように自慢しているというのだ。主体（チュチェ）思想で北朝鮮を思想大国にした祖父・金日成（キム・イルソン）主席、核を保有することで軍事大国にした父・金正日（キム・ジョンイル）総書記に続き、知識経済大国を完成させると宣言した3代目の「虚勢」というわけだ。
朝鮮中央通信が報じた「接触式手電話機・アリラン」の写真を見ると、天池（中朝国境の火山「白頭山」の頂上にある湖）を壁紙にした画面にアプリケーション（アプリ、応用プログラム）が入っている。機器名は「AS 1201」で、ケースは黄・白・黒・ピンクの4種類があるとみられる。写真を見た人々はネット上で「画面構成を見ると、アンドロイド4.0 ICSを搭載したもののようだ」「音楽アプリのアイコンはグーグルの純正ではなく、サムスンの音楽アプリに似ている」などと分析している。朝鮮中央通信は「アリラン」を生産している「5月11日工場」を「家電製品生産工場」と紹介した。金第1書記は同工場で「手電話機を私たちの技術で次々と作るのはどれほど素晴らしいことか」と称賛した。台湾のHTC社製のスマホを愛用しているといわれる金第1書記は「指の接触部分が敏感でなければユーザーは使いにくい」とアドバイスしたという。この日公開された画像はスマホらしきものを検査している場面や紙製の箱に入れる梱包作業の場面だけで、生産といえるような工程の場面はなかった。
北朝鮮では2008年にエジプトの通信会社「オラスコム・テレコム」と協力し「高麗リンク」という名称の国内移動通信サービスが開始された。利用者は配給制が中止されて以降、市場や商取引の拡大に伴い急増した商人ら富裕層200万人だ。彼らが使っている携帯電話はオラスコムが中国に委託して製造したファーウェイ（華為技術）やモトローラ、ノキアの製品だ。だが、もともとのブランド名やマークははがし、北朝鮮製であるかのように装って売っているという。
北朝鮮にスマホを作る技術力があるのだろうか。北朝鮮の咸興共産大学コンピューター工学科の元教授で脱北者有識者団体「NK知識人連帯」代表のキム・フングァン氏は「作ることはできない」と断言した。キム氏は「中央演算処理装置（CPU）・通信チップなどの主要部品はおろか、旧式のフォルダー型携帯電話のボタンすら作れないのが北朝鮮の現実。北朝鮮製の『朝のパンダ』というペンティアム4搭載パソコンも、ボルトやナットをはじめ部品を百パーセント中国から取り寄せ、最終的に組み立てたもの。そんな国がスマホを作れるだろうか」と問い返した。
では、「アリラン」はどのように作られたのだろうか。南ソウル大学のチェ・ソン教授（コンピューター工学）は「ハードウエアは中国から取り寄せて組み立て、基本ソフト（OS）や一部アプリは独自に開発したものを搭載したのだろう」と指摘した。成均館大学のチョン・ミンヨン教授（IT融合学科）も「中国・瀋陽では発売されてからわずか2−3日という最新のスマホを含め、どんなスマホでも作れる部品がモジュール形式で販売されている。それを手に入れれば組み立てはすぐできる」と語った。韓国の携帯電話業界関係者は「希望のスペックさえ言えばまあまあのデザインで各部品まで新モデルを作ってくれるスマホ開発代行会社が中国には数百ある」と話す。
ハードウエアとは違い、「アリラン」のOSやアプリは北朝鮮が作ったものと推定されている。チェ・ソン教授は「『アリラン』はプログラムが公開されているグーグルのアンドロイドを北朝鮮の実情に合わせて搭載し、独自開発したゲームアプリなどをインストールしているようだ」と話している。
北朝鮮は、スマホをスマートに利用できる環境が全く整っていない。キム・フングァン代表によると、北朝鮮のスマホユーザーがアクセスできるサイトは通信会社「高麗リンク」のホームページだけだという。キム代表は「ダウンロードできるのは高麗リンクが提供するゲーム、英単語学習プログラム、電卓くらいで、料金を払って別のアプリをダウンロードしたり、インターネットにアクセスしたりすることはできない」と語った。
スマホの生産能力がなく、それを使用する環境もないのに、金第1書記が「アリラン」を前面に押し出したのはなぜだろうか。科学技術政策研究院のキム・ジョンソン博士は「北朝鮮の人々や海外メディアに対し、『自分は国際的な流れに乗り遅れていない先進的な指導者だ』とアピールしようとしているのだろう。変化や革新のシンボルであるスマホはそうした『ショー』に最適のツール」と見ている。国家安保戦略研究所のピョン・サンジョン博士の分析によると、金第1書記は父親の死後「最先端突破思想」「知識経済型強国建設論」を新たな統治理念、統治スローガンとして掲げている。祖父や父親とは違う経済的業績を積み重ね、権力体制を固めようとしているとの分析だ。事実、金第1書記は今年、現地指導で「知識経済時代」という言葉を頻繁に口にしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130817-00000773-chosun-kr
※この記事の著作権は配信元に帰属します。
ＦＩＳＨＥＲＭＡＮ’Ｓ ＢＡＧ
最新ニュースをお届けします。
サムスン「ギャラクシー」、アップル「iPhone（アイフォーン）」はおろか、その前の前の世代のスマートフォン（多機能携帯電話）も存在しないのが北朝鮮だ。インターネットが遮断されている環境では、どんな最先端スマートフォンでも使えないからだ。その北朝鮮が11日「わが国の方式で作った」というスマホ「アリラン」を発表した。地球上最悪の閉鎖・独裁国家がスマホを作ったというのも矛盾しているが、まず思い浮かぶのは「北朝鮮にそんな技術があるのか」という疑問だ。
その疑問は的中した。香港紙「大公報」や英国BBCは14日「北朝鮮が作ったスマホ『アリラン』は安価な中国製品を入手して北朝鮮製に見せかけている可能性が高い」と報じた。「アリラン」は事実上中国製のコピー商品だが、金正恩（キム・ジョンウン）第1書記はこれをあたかも北朝鮮が開発・生産したかのように自慢しているというのだ。主体（チュチェ）思想で北朝鮮を思想大国にした祖父・金日成（キム・イルソン）主席、核を保有することで軍事大国にした父・金正日（キム・ジョンイル）総書記に続き、知識経済大国を完成させると宣言した3代目の「虚勢」というわけだ。
朝鮮中央通信が報じた「接触式手電話機・アリラン」の写真を見ると、天池（中朝国境の火山「白頭山」の頂上にある湖）を壁紙にした画面にアプリケーション（アプリ、応用プログラム）が入っている。機器名は「AS 1201」で、ケースは黄・白・黒・ピンクの4種類があるとみられる。写真を見た人々はネット上で「画面構成を見ると、アンドロイド4.0 ICSを搭載したもののようだ」「音楽アプリのアイコンはグーグルの純正ではなく、サムスンの音楽アプリに似ている」などと分析している。朝鮮中央通信は「アリラン」を生産している「5月11日工場」を「家電製品生産工場」と紹介した。金第1書記は同工場で「手電話機を私たちの技術で次々と作るのはどれほど素晴らしいことか」と称賛した。台湾のHTC社製のスマホを愛用しているといわれる金第1書記は「指の接触部分が敏感でなければユーザーは使いにくい」とアドバイスしたという。この日公開された画像はスマホらしきものを検査している場面や紙製の箱に入れる梱包作業の場面だけで、生産といえるような工程の場面はなかった。
北朝鮮では2008年にエジプトの通信会社「オラスコム・テレコム」と協力し「高麗リンク」という名称の国内移動通信サービスが開始された。利用者は配給制が中止されて以降、市場や商取引の拡大に伴い急増した商人ら富裕層200万人だ。彼らが使っている携帯電話はオラスコムが中国に委託して製造したファーウェイ（華為技術）やモトローラ、ノキアの製品だ。だが、もともとのブランド名やマークははがし、北朝鮮製であるかのように装って売っているという。
北朝鮮にスマホを作る技術力があるのだろうか。北朝鮮の咸興共産大学コンピューター工学科の元教授で脱北者有識者団体「NK知識人連帯」代表のキム・フングァン氏は「作ることはできない」と断言した。キム氏は「中央演算処理装置（CPU）・通信チップなどの主要部品はおろか、旧式のフォルダー型携帯電話のボタンすら作れないのが北朝鮮の現実。北朝鮮製の『朝のパンダ』というペンティアム4搭載パソコンも、ボルトやナットをはじめ部品を百パーセント中国から取り寄せ、最終的に組み立てたもの。そんな国がスマホを作れるだろうか」と問い返した。
では、「アリラン」はどのように作られたのだろうか。南ソウル大学のチェ・ソン教授（コンピューター工学）は「ハードウエアは中国から取り寄せて組み立て、基本ソフト（OS）や一部アプリは独自に開発したものを搭載したのだろう」と指摘した。成均館大学のチョン・ミンヨン教授（IT融合学科）も「中国・瀋陽では発売されてからわずか2−3日という最新のスマホを含め、どんなスマホでも作れる部品がモジュール形式で販売されている。それを手に入れれば組み立てはすぐできる」と語った。韓国の携帯電話業界関係者は「希望のスペックさえ言えばまあまあのデザインで各部品まで新モデルを作ってくれるスマホ開発代行会社が中国には数百ある」と話す。
ハードウエアとは違い、「アリラン」のOSやアプリは北朝鮮が作ったものと推定されている。チェ・ソン教授は「『アリラン』はプログラムが公開されているグーグルのアンドロイドを北朝鮮の実情に合わせて搭載し、独自開発したゲームアプリなどをインストールしているようだ」と話している。
北朝鮮は、スマホをスマートに利用できる環境が全く整っていない。キム・フングァン代表によると、北朝鮮のスマホユーザーがアクセスできるサイトは通信会社「高麗リンク」のホームページだけだという。キム代表は「ダウンロードできるのは高麗リンクが提供するゲーム、英単語学習プログラム、電卓くらいで、料金を払って別のアプリをダウンロードしたり、インターネットにアクセスしたりすることはできない」と語った。
スマホの生産能力がなく、それを使用する環境もないのに、金第1書記が「アリラン」を前面に押し出したのはなぜだろうか。科学技術政策研究院のキム・ジョンソン博士は「北朝鮮の人々や海外メディアに対し、『自分は国際的な流れに乗り遅れていない先進的な指導者だ』とアピールしようとしているのだろう。変化や革新のシンボルであるスマホはそうした『ショー』に最適のツール」と見ている。国家安保戦略研究所のピョン・サンジョン博士の分析によると、金第1書記は父親の死後「最先端突破思想」「知識経済型強国建設論」を新たな統治理念、統治スローガンとして掲げている。祖父や父親とは違う経済的業績を積み重ね、権力体制を固めようとしているとの分析だ。事実、金第1書記は今年、現地指導で「知識経済時代」という言葉を頻繁に口にしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130817-00000773-chosun-kr
※この記事の著作権は配信元に帰属します。
ＦＩＳＨＥＲＭＡＮ’Ｓ ＢＡＧ
