サイバー密猟、絶滅危惧種の新たな脅威
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ハッカーたちはコンピューターを駆使して、銀行、報道機関、ソーシャルメディア、政府などのWebサイトに不正侵入する。しかし最近では、新たな標的として、重要な絶滅危惧種の所在情報が狙われているという。
ある事件をきっかけに、密猟の新たな手段としてインターネットを活用する状況への懸念が広がっている。
7月、インド中央部、パンナ・トラ保護区(Panna Tiger Reserve)の監視プログラム責任者、クリシュナムルティ・ラメシュ(Krishnamurthy Ramesh)氏のもとに1通のメールが届いた。同氏の仕事用メールアカウントへの不正アクセスを警告する内容だった。受信トレイには、絶滅危惧種である1頭のベンガルトラの暗号化済みGPS情報が保存されている。
2歳半のオスのトラの首には、衛星と地上波からの追跡が可能な約5000ドル(約50万円)相当の首輪が装着されている。今年の2月から3カ月間は1時間おき、後の5カ月間は4時間おきにGPSデータを送信するよう設定されていた(有効期間は8カ月)。
7月になるとバッテリーが消耗、首輪からの衛星データの送信が停止した。ラメシュ氏が通知を受け取ったのはちょうどそのころだ。州都デヘラードゥーンの事務所から1000キロ離れた都市プネーに所在する何者かが、同氏のメールにアクセスを試みたのだ。
侵入はサーバーによって直ちに阻止されたという。ラメシュ氏によると、GPSデータは暗号化されており、特殊なデータ変換ソフトウェアを使って、首輪のシリアルナンバー(製品番号)を入力しないと解読できないという。
「見てもわからないだろう。意味不明な数字や記号が並んでいるだけだ」。
アクセスした者は不明で、単なるうっかりミスの可能性も否定できない。保護区のあるマディヤ・プラデーシュ州の森林当局は、警察と協力して調査を開始した。
いずれにしろ、今回の事件をきっかけに、絶滅危惧種に関するオンラインデータが犯罪者の手に渡る可能性が浮き彫りになった。
◆ネット化される密猟取引
野生生物の不正取引では、インターネットによる新たな手口が登場している。米国魚類野生生物局の特別捜査チームは1990年代後半、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に従って、冷凍した子どものトラのオンライン販売を摘発し始めた。
野生生物の取引を監視するネットワークNGO、トラフィック(TRAFFIC)は2012年7月までに、中国のオークションサイトで、ブレスレットやペンダント、トラの骨から採ったゼラチンなど、33件のトラ関連製品を発見。「こちらの商品では血も見えます」という宣伝文句さえあったという。
環境保護団体、世界自然保護基金(WWF)による推定では、年間78億〜100億ドルにのぼる野生生物の密売市場の一角をこうしたオンライン販売が占めている。
密売業者がインターネットに軸足を移すのには理由がある。匿名で済み、「ox bone(雄牛の骨)」などの隠語でカモフラージュできるからだ。「ox bone」は、オークションサイトeBayで不正な象牙製品を指す言葉として使われている。
また、オンライン取引は素早く成立し、顧客は世界中から集まってくる。加えて、密売業者を摘発しても起訴まで持ち込むのが難しいことから、警察や取締機関にとっては厳しい状況にある。
ワシントンD.C.に本拠を置く「グローバル・タイガー・イニシアティブ(Global Tiger Initiative)」の専門家で、野生生物の管理に詳しいアンドリュー・ザガレンカ(Andrew Zakharenka)氏は、「インドの件では密猟は阻止されたようだが、特に発展途上国では、インターネット利用者が増えるにつれて、野生生物関連商品の需要は高まっている」と指摘する。
また、「野生生物の違法取引でテクノロジーの活用が増えている。携帯電話やSIMカード、電子メールはもう当たり前だ」と注意を喚起している。
Sasha Ingber for National Geographic News
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131011-00000003-natiogeog-sctch
※この記事の著作権は配信元に帰属します。
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ある事件をきっかけに、密猟の新たな手段としてインターネットを活用する状況への懸念が広がっている。
7月、インド中央部、パンナ・トラ保護区(Panna Tiger Reserve)の監視プログラム責任者、クリシュナムルティ・ラメシュ(Krishnamurthy Ramesh)氏のもとに1通のメールが届いた。同氏の仕事用メールアカウントへの不正アクセスを警告する内容だった。受信トレイには、絶滅危惧種である1頭のベンガルトラの暗号化済みGPS情報が保存されている。
2歳半のオスのトラの首には、衛星と地上波からの追跡が可能な約5000ドル(約50万円)相当の首輪が装着されている。今年の2月から3カ月間は1時間おき、後の5カ月間は4時間おきにGPSデータを送信するよう設定されていた(有効期間は8カ月)。
7月になるとバッテリーが消耗、首輪からの衛星データの送信が停止した。ラメシュ氏が通知を受け取ったのはちょうどそのころだ。州都デヘラードゥーンの事務所から1000キロ離れた都市プネーに所在する何者かが、同氏のメールにアクセスを試みたのだ。
侵入はサーバーによって直ちに阻止されたという。ラメシュ氏によると、GPSデータは暗号化されており、特殊なデータ変換ソフトウェアを使って、首輪のシリアルナンバー(製品番号)を入力しないと解読できないという。
「見てもわからないだろう。意味不明な数字や記号が並んでいるだけだ」。
アクセスした者は不明で、単なるうっかりミスの可能性も否定できない。保護区のあるマディヤ・プラデーシュ州の森林当局は、警察と協力して調査を開始した。
いずれにしろ、今回の事件をきっかけに、絶滅危惧種に関するオンラインデータが犯罪者の手に渡る可能性が浮き彫りになった。
◆ネット化される密猟取引
野生生物の不正取引では、インターネットによる新たな手口が登場している。米国魚類野生生物局の特別捜査チームは1990年代後半、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に従って、冷凍した子どものトラのオンライン販売を摘発し始めた。
野生生物の取引を監視するネットワークNGO、トラフィック(TRAFFIC)は2012年7月までに、中国のオークションサイトで、ブレスレットやペンダント、トラの骨から採ったゼラチンなど、33件のトラ関連製品を発見。「こちらの商品では血も見えます」という宣伝文句さえあったという。
環境保護団体、世界自然保護基金(WWF)による推定では、年間78億〜100億ドルにのぼる野生生物の密売市場の一角をこうしたオンライン販売が占めている。
密売業者がインターネットに軸足を移すのには理由がある。匿名で済み、「ox bone(雄牛の骨)」などの隠語でカモフラージュできるからだ。「ox bone」は、オークションサイトeBayで不正な象牙製品を指す言葉として使われている。
また、オンライン取引は素早く成立し、顧客は世界中から集まってくる。加えて、密売業者を摘発しても起訴まで持ち込むのが難しいことから、警察や取締機関にとっては厳しい状況にある。
ワシントンD.C.に本拠を置く「グローバル・タイガー・イニシアティブ(Global Tiger Initiative)」の専門家で、野生生物の管理に詳しいアンドリュー・ザガレンカ(Andrew Zakharenka)氏は、「インドの件では密猟は阻止されたようだが、特に発展途上国では、インターネット利用者が増えるにつれて、野生生物関連商品の需要は高まっている」と指摘する。
また、「野生生物の違法取引でテクノロジーの活用が増えている。携帯電話やSIMカード、電子メールはもう当たり前だ」と注意を喚起している。
Sasha Ingber for National Geographic News
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