劇場版「まど☆マギ」異例の大ヒット かわいさとシリアス、混在の魅力
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過酷な運命に翻弄される少女たちを描いたテレビアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の劇場版「[新編]叛逆の物語」(公開中)が、深夜アニメ出身の作品としては異例の反響を呼んでいる。興行収入は10億円を突破し、宮崎駿(はやお)監督の引退作「風立ちぬ」などと並んで米アカデミー賞長編アニメーション部門への出品が決まった。新房昭之(しんぼう・あきゆき)総監督に、作品に込めた思いを聞いた。(三品貴志)
テレビシリーズは平成23年1〜4月、TBS系で深夜に放送された。ブルーレイディスク第1巻はテレビアニメ週間販売本数の最高記録を獲得し、同年の文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞を受賞。公開中の「叛逆の物語」は、テレビシリーズの総集編に当たる劇場版「前編」「後編」の続きを描いた完全新作だ。
新房総監督は、作品が支持されている理由を「かわいらしい絵でハードなストーリー、というミスマッチが魅力の一つになっていると思います」と語る。
昭和41年に放送が始まった「魔法使いサリー」以来、「魔法少女もの」はアニメの題材の一つとして定着している。ただ、少女の夢や成長を明るく描いた作品が多いなかで、脚本家の虚淵玄(うろぶちげん)の手がけた「まどか☆マギカ」の物語展開はシリアスで重層的。漫画家の蒼樹(あおき)うめ原案の丸みのあるキャラクターとの「落差」が注目を集めた。
◆視聴者に育てられ
少女たちは願いをかなえることと引き換えに、異形の魔女と戦う使命を背負う。テレビ版では、序盤に主要登場人物が魔女に殺害されたり、終盤に物語の時間軸を揺さぶるSF的な仕掛けが明かされたりするなど、悲劇やどんでん返しの連続で視聴者を驚かせた。
新房総監督は「キャラクターが個性的になったのは、視聴者に育ててもらったから。物語を読解しようとする視聴者のエネルギーに驚きました」と振り返り、インターネットなどでファンが感想や考察を拡散させたことが人気の裾野を広げたと推測する。
「叛逆の物語」でも、二転三転する展開は健在だ。
「テレビ版はテレビ版で完結していて、『崩せないな』というのは感じていました。でも、テレビでは悲劇的な見せ場が多かった魔法少女が、もっと元気に動き回るものを作ってみたかったんです」
◆映像へのこだわり
その言葉通り、序盤では5人の魔法少女がそろって活躍し、テレビ版では描かれなかった「王道の魔法少女もの」の雰囲気も漂う。もっとも、アニメ作家ユニット「劇団イヌカレー」によるコラージュ技法を駆使した敵や異世界の表現は不気味で幻想的。入り組んだ迷宮のような背景描写や、影絵風の変身シーンなど、緻密で作り込まれた映像の連続が鮮烈な印象を残す。
こうした映像へのこだわりには、新房総監督のアニメ表現への強い思いが込められているようだ。
「CG(コンピューター・グラフィックス)などの発達でいろんな表現ができるようになっても、新しいイメージがわかなければ宝の持ち腐れになる。実写でも2頭身キャラが表現できる時代だからこそ、『それでも絵がいいんだ』と思えるような表現を追求したいですね」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131116-00000530-san-ent
※この記事の著作権は配信元に帰属します。
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過酷な運命に翻弄される少女たちを描いたテレビアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の劇場版「[新編]叛逆の物語」(公開中)が、深夜アニメ出身の作品としては異例の反響を呼んでいる。興行収入は10億円を突破し、宮崎駿(はやお)監督の引退作「風立ちぬ」などと並んで米アカデミー賞長編アニメーション部門への出品が決まった。新房昭之(しんぼう・あきゆき)総監督に、作品に込めた思いを聞いた。(三品貴志)
テレビシリーズは平成23年1〜4月、TBS系で深夜に放送された。ブルーレイディスク第1巻はテレビアニメ週間販売本数の最高記録を獲得し、同年の文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞を受賞。公開中の「叛逆の物語」は、テレビシリーズの総集編に当たる劇場版「前編」「後編」の続きを描いた完全新作だ。
新房総監督は、作品が支持されている理由を「かわいらしい絵でハードなストーリー、というミスマッチが魅力の一つになっていると思います」と語る。
昭和41年に放送が始まった「魔法使いサリー」以来、「魔法少女もの」はアニメの題材の一つとして定着している。ただ、少女の夢や成長を明るく描いた作品が多いなかで、脚本家の虚淵玄(うろぶちげん)の手がけた「まどか☆マギカ」の物語展開はシリアスで重層的。漫画家の蒼樹(あおき)うめ原案の丸みのあるキャラクターとの「落差」が注目を集めた。
◆視聴者に育てられ
少女たちは願いをかなえることと引き換えに、異形の魔女と戦う使命を背負う。テレビ版では、序盤に主要登場人物が魔女に殺害されたり、終盤に物語の時間軸を揺さぶるSF的な仕掛けが明かされたりするなど、悲劇やどんでん返しの連続で視聴者を驚かせた。
新房総監督は「キャラクターが個性的になったのは、視聴者に育ててもらったから。物語を読解しようとする視聴者のエネルギーに驚きました」と振り返り、インターネットなどでファンが感想や考察を拡散させたことが人気の裾野を広げたと推測する。
「叛逆の物語」でも、二転三転する展開は健在だ。
「テレビ版はテレビ版で完結していて、『崩せないな』というのは感じていました。でも、テレビでは悲劇的な見せ場が多かった魔法少女が、もっと元気に動き回るものを作ってみたかったんです」
◆映像へのこだわり
その言葉通り、序盤では5人の魔法少女がそろって活躍し、テレビ版では描かれなかった「王道の魔法少女もの」の雰囲気も漂う。もっとも、アニメ作家ユニット「劇団イヌカレー」によるコラージュ技法を駆使した敵や異世界の表現は不気味で幻想的。入り組んだ迷宮のような背景描写や、影絵風の変身シーンなど、緻密で作り込まれた映像の連続が鮮烈な印象を残す。
こうした映像へのこだわりには、新房総監督のアニメ表現への強い思いが込められているようだ。
「CG(コンピューター・グラフィックス)などの発達でいろんな表現ができるようになっても、新しいイメージがわかなければ宝の持ち腐れになる。実写でも2頭身キャラが表現できる時代だからこそ、『それでも絵がいいんだ』と思えるような表現を追求したいですね」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131116-00000530-san-ent
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