日本ゲーム市場に厳冬の兆し 「ソニー本気じゃない」PS4先送りに憤るファン
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クリスマス商戦を彩るゲーム業界だが、今年の国内市場は“厳冬”の兆しがある。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と米マイクロソフト(MS)が、海外ではクリスマス商戦に投入する次世代据え置き型ゲーム機を、日本では来年発売に先送りしたためだ。家庭用ゲーム機における日本市場の存在感の低下は否定できない。こうした中で、昨年の発売以降、販売不振にあえぐ任天堂の「Wii U(ウィー・ユー)」が、商戦の中心に浮上している。(米沢文)
「日本で最初に発売しないと聞いて、ソニーは本気じゃないと感じた」。ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」を愛用するゲームファンの男性会社員(35)は、憤りを隠さない。ソニーが欧米で11月に発売する約7年ぶりの新型ゲーム機「PS4」の発売を、日本は来年2月に先送りすると発表したためだ。
同様にMSが北米など13カ国で11月22日に発売する、約8年ぶりの新型ゲーム機「Xbox One(エックスボックス・ワン)」も、日本国内での発売は来年にずれ込む。ゲーム機の刷新はファンにとって最大の関心事だけに、相次ぐ“ジャパン・パッシング”(日本外し)に対する失望感は大きい。
日本発売の延期を決めた理由について、SCEのアンドリュー・ハウス社長は「PS4ならではのコンテンツを提供することが一番大事だ。日本人のゲーム愛好家が喜ぶコンテンツがそろう時期に発売する」と説明。同様にMSゲーム部門のフィル・スペンサー副社長は「製品のローカライズ(現地化)が非常に重要だ」と述べた。
両社とも、日本向けにサービスやコンテンツを整えた上で発売する考えだが、クリスマス商戦を含む10〜12月期は、ゲームメーカーにとって年間売上高の3〜5割を稼ぐかき入れ時でもある。裏を返せば、ゲーム業界にとって最大の商機となるクリスマス商戦を逃しても惜しくない程度に、日本のゲーム市場の存在感が低下した表れに他ならない。大手ソフトメーカー関係者は「PSもエックスボックスも、販売は欧米がメーン。そちらを優先するのは合理的な判断だ」と指摘した。
発売先送りという両社の判断の背景には、昨年末に発売したものの、ソフト不足で販売不振に陥った任天堂の「ウィー・ユー」の二の轍を踏むことを避ける狙いもあるとみられる。野村証券の長尾佳尚アナリストは「新型ゲーム機の発売にあわせ、対応するソフトを矢継ぎ早に出さないと、ハードの普及は進まない」と指摘する。
実際、任天堂のウィーが平成18年の発売から国内で1270万台売り上げているのとは対照的に、ウィー・ユーは累計販売台数が100万台強にとどまる。ソニー、MSの新型ゲーム発売で、ウィー・ユーはさらに販売が苦戦するとの懸念もあった。
だが、「PS4とエックスボックス・ワンの発売が遅れたことで、国内の年末商戦の顔はウィー・ユーとなる。年末からソフトも充実し、テレビCMも増やすなど、販売の立て直しを図っている」(長尾氏)というように、はからずもクリスマス商戦の“主役”に躍り出た形だ。
任天堂は、「Wii Party(パーティー) U」(10月31日)や「スーパーマリオ3Dワールド」(11月21日)、「モンスターハンターフロンティアGビギナーズパッケージ」(12月11日)など、人気ソフトを年末年始に集中的に投入し、巻き返しを図る狙いだ。
ゲーム雑誌「ファミ通」を出版するKADOKAWAの浜村弘一常務によると、海外と異なり「日本は、据え置き型の家庭用ゲーム機より、携帯ゲーム機が強い特殊な市場」だ。平成25年度上期(4月1日〜9月29日)に国内で売れた家庭用ゲーム機は291万7501台。このうち携帯型の「ニンテンドー3DS」や「PS Vita(ヴィータ)」が約8割を占める。
限られた据え置き型ゲーム機の国内市場で、任天堂が“漁夫の利”を得るか、それともソニー、MSの新型ゲーム機への期待が勝るか。年末から年明けにかけて、3社の勢力争いは一段と激化しそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131029-00000504-san-bus_all
※この記事の著作権は配信元に帰属します。
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クリスマス商戦を彩るゲーム業界だが、今年の国内市場は“厳冬”の兆しがある。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と米マイクロソフト(MS)が、海外ではクリスマス商戦に投入する次世代据え置き型ゲーム機を、日本では来年発売に先送りしたためだ。家庭用ゲーム機における日本市場の存在感の低下は否定できない。こうした中で、昨年の発売以降、販売不振にあえぐ任天堂の「Wii U(ウィー・ユー)」が、商戦の中心に浮上している。(米沢文)
「日本で最初に発売しないと聞いて、ソニーは本気じゃないと感じた」。ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」を愛用するゲームファンの男性会社員(35)は、憤りを隠さない。ソニーが欧米で11月に発売する約7年ぶりの新型ゲーム機「PS4」の発売を、日本は来年2月に先送りすると発表したためだ。
同様にMSが北米など13カ国で11月22日に発売する、約8年ぶりの新型ゲーム機「Xbox One(エックスボックス・ワン)」も、日本国内での発売は来年にずれ込む。ゲーム機の刷新はファンにとって最大の関心事だけに、相次ぐ“ジャパン・パッシング”(日本外し)に対する失望感は大きい。
日本発売の延期を決めた理由について、SCEのアンドリュー・ハウス社長は「PS4ならではのコンテンツを提供することが一番大事だ。日本人のゲーム愛好家が喜ぶコンテンツがそろう時期に発売する」と説明。同様にMSゲーム部門のフィル・スペンサー副社長は「製品のローカライズ(現地化)が非常に重要だ」と述べた。
両社とも、日本向けにサービスやコンテンツを整えた上で発売する考えだが、クリスマス商戦を含む10〜12月期は、ゲームメーカーにとって年間売上高の3〜5割を稼ぐかき入れ時でもある。裏を返せば、ゲーム業界にとって最大の商機となるクリスマス商戦を逃しても惜しくない程度に、日本のゲーム市場の存在感が低下した表れに他ならない。大手ソフトメーカー関係者は「PSもエックスボックスも、販売は欧米がメーン。そちらを優先するのは合理的な判断だ」と指摘した。
発売先送りという両社の判断の背景には、昨年末に発売したものの、ソフト不足で販売不振に陥った任天堂の「ウィー・ユー」の二の轍を踏むことを避ける狙いもあるとみられる。野村証券の長尾佳尚アナリストは「新型ゲーム機の発売にあわせ、対応するソフトを矢継ぎ早に出さないと、ハードの普及は進まない」と指摘する。
実際、任天堂のウィーが平成18年の発売から国内で1270万台売り上げているのとは対照的に、ウィー・ユーは累計販売台数が100万台強にとどまる。ソニー、MSの新型ゲーム発売で、ウィー・ユーはさらに販売が苦戦するとの懸念もあった。
だが、「PS4とエックスボックス・ワンの発売が遅れたことで、国内の年末商戦の顔はウィー・ユーとなる。年末からソフトも充実し、テレビCMも増やすなど、販売の立て直しを図っている」(長尾氏)というように、はからずもクリスマス商戦の“主役”に躍り出た形だ。
任天堂は、「Wii Party(パーティー) U」(10月31日)や「スーパーマリオ3Dワールド」(11月21日)、「モンスターハンターフロンティアGビギナーズパッケージ」(12月11日)など、人気ソフトを年末年始に集中的に投入し、巻き返しを図る狙いだ。
ゲーム雑誌「ファミ通」を出版するKADOKAWAの浜村弘一常務によると、海外と異なり「日本は、据え置き型の家庭用ゲーム機より、携帯ゲーム機が強い特殊な市場」だ。平成25年度上期(4月1日〜9月29日)に国内で売れた家庭用ゲーム機は291万7501台。このうち携帯型の「ニンテンドー3DS」や「PS Vita(ヴィータ)」が約8割を占める。
限られた据え置き型ゲーム機の国内市場で、任天堂が“漁夫の利”を得るか、それともソニー、MSの新型ゲーム機への期待が勝るか。年末から年明けにかけて、3社の勢力争いは一段と激化しそうだ。
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