「おこたでミカン」の光景、どこへ消えた…電気こたつの国内生産“激減”
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電気こたつの国内生産が激減している。マンションなどでエアコンが普及したほか、部屋の保温性が高くなり、和室が減るなどしたためとみられる。一方、昔はこたつの上に必ずと言っていいほど置かれていたみかんの出荷量も大きく減少している。ほかの果物や菓子などスイーツが多様化したことも原因として考えられるが、こたつとみかんの減少に相関関係があるとの仮説を立て、オフィスなどのデスクやテーブルの上にみかんを置く運動も現れている。いずれにしても、こたつとみかんという当たり前だった冬の日常が、過去のものになりつつある。(張英壽)
■急な右下がり
電気製品などの生産実績をまとめた経済産業省の生産動態統計。この中で、電機メーカーでつくる日本電機工業会(東京)の平成2年からのまとめによると、電気こたつの国内生産台数は、2年は約178万台だったが、9年には100万台を割り込んで約92万台に落ち込み、15年には9年の9割減近い約24万7千台にまで減少した。国内で生産しているメーカーが少なくなったため、16年以降は調査対象から外され、現在に至っている。
一方、農林水産省の統計では、みかんの出荷量は昭和48年に約305万トンだったが、徐々に減少。平成2年には半分以下の約148万トンにまで落ち込んだ。さらに、14年には100万トンを割り込む99万6500トンを記録。15、17年は100万トンを超えたものの、傾向は変わらず、24年は約75万7千トンにまで縮小した。昭和48年と比べると、5分の1近くになっている。
電気こたつの生産台数、みかんの出荷数を折れ線グラフにしてみると、いずれも急な右下がりなるが、こたつのほうがより減少幅が大きいように見える。
だが、こたつは海外生産で生き延びている。
「現在は国内で電気こたつをつくるメーカーはほとんどなくなった」
電気こたつをつくり続けている電機メーカー「小泉成器」(大阪市中央区)。商品事業統括部で冷暖房空調機器を担当する永野健輔課長(45)はこう指摘する。業界では平成7年ごろから人件費が高い国内から、東南アジアや中国などに生産拠点を移しているという。
同社では現在も約20種類の電気こたつを販売しているが、ほぼすべてマレーシアの工場で生産している。
冬にこたつを使う習慣は、日本以外にはない。エアコンやほかの家電製品も同様に海外で生産しているが、それらは日本以外の国でも使われる。電気こたつは、国内でしか利用されないのに、ほとんどが海外でつくられている。逆説的な現状だ。
■かつては若者が支えた
こたつの需要が減少傾向にあるのは間違いないが、それでも一定のニーズはあるという。小泉成器は、電気こたつ業界で10%弱ほどのシェアがある。小泉成器では生産していないが、業界で最も売れているのが、「カジュアルこたつ」と呼ばれるタイプだ。
「カジュアルこたつ」とは形が正方形で、一辺が70〜75センチ程度。価格は5千〜6千円ほど。
「一人暮らしの若者に人気。暖房器具としてだけでなく、机にして勉強したり、テーブルにしてご飯を食べたりできる」
永野課長はこう魅力を説明する。
業界では、カジュアルこたつは、こたつの販売数の約半分を占めているという。これに対し、より大きく長方形のタイプが多い「家具調こたつ」というタイプもあるが、こちらは2万〜3万円程度で若干高くファミリー向け。小泉成器も製造している。
ただ、永野課長は「昔も今も電気こたつは1人暮らしの若者が支えている」と指摘する。
エアコンが普及していなかった昭和30、40年代、こたつの便利さが1人暮らしの若者に受け、こたつは需要を伸ばしたとされる。木造アパートの部屋で、こたつに入り、空気に触れる上体はちゃんちゃんこなどを着て過ごすという姿が思い浮かぶ。
家族がいる世帯でも、こたつは冬にはなくてはならない暖房器具だった。典型的な光景が、こたつの上にみかんを置いて家族団欒(だんらん)する姿だ。
現代のエアコンの国内市場は800万台とされる。永野課長は「昭和40年代には一家に一台はこたつがあった。電気こたつは、当時かなりの需要があったのではないか」と推察する。
だが、1人暮らしの若者がマンションなどに住むようになり、冷房と暖房の両方ができるエアコンも広まった。
こたつの減少について永野課長は「一戸建てでも、マンションでも、フローリングが増えたことが大きいと思う。フローリングにはソファが合うとのイメージがある。都会的な感覚を楽しむ人たちが増え、若者を中心にこたつ離れが進んでいる」と話す。
■平成生まれは知らない
かつて家庭のこたつの上に必ずあったみかんも、減少が止まらない。
その原因を、こたつの減少にあるとの仮説を立て、会社のデスクや家庭のテーブルにみかんを置く運動を展開している人がいる。
野菜や果物の摂取拡大を目的にしたNPO法人「青果物健康推進協会」(東京)の事務局長、近藤卓志さん(52)だ。
運動はもともと、メタボリックシンドロームの原因の一つが会社のデスクにある菓子と考え、よりカロリーが低いみかんで代替しようと始まった。近藤さんはこう振り返る。
「みかんの消費が減っていて伸ばさないといけないと、関係者と議論したんです。すると、昔こたつでみかんを食べていたけど、最近は減ったということになった。つまり『食べるシチュエーション』がなくなっていると気づいたわけです」
こたつとみかんの減少の相関関係は「だれもきちんと調べておらず、あくまで仮説」というが、「食べるシチュエーション」を取り戻そうと、会社のデスクや台所のテーブルでみかんを置く運動をしており、大企業も協力している。
近藤さんによると、昭和生まれの人にみかんを家のどこで食べるか尋ねると、大部分が「こたつ」と答えるが、平成生まれの若者は「ほとんど食べない」と返答するという。若い世代はこたつイコールみかんという連想をしない、いや食べないということだ。
果樹の苗木業者でつくる日本果樹種苗協会(東京)によると、日本のみかんは、正式には、温州(うんしゅう)みかんと言い、約400年前に中国から鹿児島県に伝わった柑橘(かんきつ)の種から偶然に生まれたとされる。現在は中国や韓国でも、みかんは栽培されているが、いずれも温州みかんの枝を接ぎ木して、現地で栽培されるようになったという。
おもしろいことに、こたつも、みかんも日本固有というわけだ。
ところで、こたつ以外でみかん減少の要因として考えられるものは何か。協会の担当者は果物嗜好の多様化をその原因に挙げる。
「イチゴやバナナも最近は値段が安く、食べやすい。夏場はメロンやスイカがあり、ブドウやリンゴも品種が豊富。胃袋に入る量は決まっているので、みかんはそのほかの果物と競合しているわけです」
また青果物健康推進協会の近藤さんはこたつとみかんの相関関係を指摘する一方で、「ケーキなどのスイーツが多様化し、コンビニで手に入る。そうしたスイーツに流れているのではないか」とも分析している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140125-00000572-san-soci
※この記事の著作権は配信元に帰属します。
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■急な右下がり
電気製品などの生産実績をまとめた経済産業省の生産動態統計。この中で、電機メーカーでつくる日本電機工業会(東京)の平成2年からのまとめによると、電気こたつの国内生産台数は、2年は約178万台だったが、9年には100万台を割り込んで約92万台に落ち込み、15年には9年の9割減近い約24万7千台にまで減少した。国内で生産しているメーカーが少なくなったため、16年以降は調査対象から外され、現在に至っている。
一方、農林水産省の統計では、みかんの出荷量は昭和48年に約305万トンだったが、徐々に減少。平成2年には半分以下の約148万トンにまで落ち込んだ。さらに、14年には100万トンを割り込む99万6500トンを記録。15、17年は100万トンを超えたものの、傾向は変わらず、24年は約75万7千トンにまで縮小した。昭和48年と比べると、5分の1近くになっている。
電気こたつの生産台数、みかんの出荷数を折れ線グラフにしてみると、いずれも急な右下がりなるが、こたつのほうがより減少幅が大きいように見える。
だが、こたつは海外生産で生き延びている。
「現在は国内で電気こたつをつくるメーカーはほとんどなくなった」
電気こたつをつくり続けている電機メーカー「小泉成器」(大阪市中央区)。商品事業統括部で冷暖房空調機器を担当する永野健輔課長(45)はこう指摘する。業界では平成7年ごろから人件費が高い国内から、東南アジアや中国などに生産拠点を移しているという。
同社では現在も約20種類の電気こたつを販売しているが、ほぼすべてマレーシアの工場で生産している。
冬にこたつを使う習慣は、日本以外にはない。エアコンやほかの家電製品も同様に海外で生産しているが、それらは日本以外の国でも使われる。電気こたつは、国内でしか利用されないのに、ほとんどが海外でつくられている。逆説的な現状だ。
■かつては若者が支えた
こたつの需要が減少傾向にあるのは間違いないが、それでも一定のニーズはあるという。小泉成器は、電気こたつ業界で10%弱ほどのシェアがある。小泉成器では生産していないが、業界で最も売れているのが、「カジュアルこたつ」と呼ばれるタイプだ。
「カジュアルこたつ」とは形が正方形で、一辺が70〜75センチ程度。価格は5千〜6千円ほど。
「一人暮らしの若者に人気。暖房器具としてだけでなく、机にして勉強したり、テーブルにしてご飯を食べたりできる」
永野課長はこう魅力を説明する。
業界では、カジュアルこたつは、こたつの販売数の約半分を占めているという。これに対し、より大きく長方形のタイプが多い「家具調こたつ」というタイプもあるが、こちらは2万〜3万円程度で若干高くファミリー向け。小泉成器も製造している。
ただ、永野課長は「昔も今も電気こたつは1人暮らしの若者が支えている」と指摘する。
エアコンが普及していなかった昭和30、40年代、こたつの便利さが1人暮らしの若者に受け、こたつは需要を伸ばしたとされる。木造アパートの部屋で、こたつに入り、空気に触れる上体はちゃんちゃんこなどを着て過ごすという姿が思い浮かぶ。
家族がいる世帯でも、こたつは冬にはなくてはならない暖房器具だった。典型的な光景が、こたつの上にみかんを置いて家族団欒(だんらん)する姿だ。
現代のエアコンの国内市場は800万台とされる。永野課長は「昭和40年代には一家に一台はこたつがあった。電気こたつは、当時かなりの需要があったのではないか」と推察する。
だが、1人暮らしの若者がマンションなどに住むようになり、冷房と暖房の両方ができるエアコンも広まった。
こたつの減少について永野課長は「一戸建てでも、マンションでも、フローリングが増えたことが大きいと思う。フローリングにはソファが合うとのイメージがある。都会的な感覚を楽しむ人たちが増え、若者を中心にこたつ離れが進んでいる」と話す。
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かつて家庭のこたつの上に必ずあったみかんも、減少が止まらない。
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果樹の苗木業者でつくる日本果樹種苗協会(東京)によると、日本のみかんは、正式には、温州(うんしゅう)みかんと言い、約400年前に中国から鹿児島県に伝わった柑橘(かんきつ)の種から偶然に生まれたとされる。現在は中国や韓国でも、みかんは栽培されているが、いずれも温州みかんの枝を接ぎ木して、現地で栽培されるようになったという。
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農薬混入 工場勤務の男逮捕へ
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アクリフーズ群馬工場で製造した冷凍食品の農薬混入事件で、群馬県警は25日、偽計業務妨害の疑いで、同工場に勤務する男を逮捕する方針を固めた。
同工場では、製造された冷凍食品9点から農薬「マラチオン」が検出された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140125-00000536-san-soci
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クイズ!ソモサン・セッパ 1月24日
内容:ポンコツNo.1決定戦!ド天然解答連発で混戦&ビリは誰か予想Q
出演:小島瑠璃子、井森美幸、小峠英二(バイきんぐ)、鈴木奈々、内藤大助、一青妙、マイケル富岡、吉村崇(平成ノブシコブシ)、サバンナ、眞鍋かをり、伊藤利尋
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出演:伊藤雄彦、米田弥央、大久保佳代子
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内容:日本一面白い夫婦漫才 男同士の禁断愛 など
出演:くりぃむしちゅー、タカアンドトシ、柳原可奈子、三田友梨佳、北川景子、錦戸亮、寺門ジモン、平山あや、クールポコ、小石田純一、テツandトモ、なかやまきんに君、レイザーラモンHG
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秘密保護法、靖国…「敵失頼み」野党、バラバラ
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24日に召集された通常国会は、与野党対決型が鮮明な法案の提出予定が少ないうえ、野党ごとに政権との距離の取り方が依然、バラバラであるため、当面は与党ペースで進みそうだ。
野党側は、昨年12月の特定秘密保護法の成立過程を巡り内閣支持率が一時急落したことや、安倍首相の靖国神社参拝を米政府が批判したことなどを足がかりに、政権追及を強めていきたい考えで、どこまで野党間の足並みをそろえられるかがカギとなる
民主党の海江田代表は24日、国会内で記者団に対し、首相の施政方針演説について「『やればできる』と繰り返した、思いこみの強い演説だ」と批判した。海江田氏は、特定秘密保護法が成立した昨年の臨時国会を「安倍政権暴走国会」と表現し、今国会では「できるところから野党共闘をしていく」として、強硬な国会運営を阻止できる態勢を築きたい考えを示した。
民主、共産両党は特定秘密保護法の廃止法案を今国会に提出する方針だが、臨時国会で与党と法案の修正に合意した日本維新の会、みんなの党が同調する可能性は低い。みんなの党の渡辺代表は24日の政府4演説についても「『政策の実現を目指す責任野党とは柔軟かつ真摯(しんし)に政策協議を行う』とのメッセージは歓迎する」などと評価し、与党寄りの立場をにじませた。
首相の靖国参拝を巡っても、民主、共産、社民の各党は非難し、日本維新の会の橋下共同代表は理解を示している。集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しでは、共産、社民などが反対し、維新の会、みんなの党は前向きで、民主党内は意見が割れる。
野党内では、4月の消費税率引き上げの影響で内閣支持率が下落すれば、反転攻勢に出ることができるとの見方もあるが、「敵失頼み」の状況は変わりそうもない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140125-00000275-yom-pol
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